基軸通貨とは、世界の国々の間で行う貿易において、決済に利用される通貨のことです。
また、基軸通貨は決済通貨以外にも、各国が外貨準備高として積み立てておく通貨でもあります。
現在、世界で認識されている基軸通貨は、アメリカのドルです。
アメリカ・ドルは最も流通量が多い通貨であるため、自国の通貨よりドルでの賃金受け取りを希望する人や、旅行でアメリカとは違う国であっても、ドルでの支払いが可能な場合があります。
しかし近年、基軸通貨ドルの価値変動が大きく、ドル安の傾向がうかがえるようになったため、第2の基軸通貨としてユーロの価値が認められるようになってきました。
ユーロはヨーロッパの国ではどこでも使用することができるという利点の他に、ヨーロッパ各国同士での貿易の際は、為替の変動リスクがないこともユーロが採用される要因となっています。
また、現在アメリカ・ドルで外貨準備をしている国にとって、ドル安が続くと価値が目減りすることになります。
それにより、現在は外貨準備高の一部分をユーロに変換する傾向が現れました。
第二次世界大戦までイギリスのポンドが、世界に通用する基軸通貨として利用されていたように、基軸通貨は時代の動きとともに変化します。
世界経済が安定している時期には、新興国の通貨や高金利通貨への投資が増加します。
逆に、世界情勢が悪化すると、安定した通貨であるドルやユーロ、スイス・フランへの投資に移行していきます。
しかし、いくらアメリカ・ドルが安くなったとはいえ、世界全体のドル流通量がそう変化することはありません。
たとえ、ユーロなどの通貨が高くなり利用が増大したとしても、最大流通量であるドル通貨の動向は常にチェックしておく必要があるのです。
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